著者:遠藤甲太 出版社:山と溪谷社 判型:文庫 刊行:2023.10(発売2023.9)
装画:門坂 流

装丁を担当しました。
著者が登山史を編纂した際に発見した、知られざる登山記録や登山家についてをまとめた『登山史の森へ』の文庫版です。



最初は険しい雪山の写真を装丁に使用することをご提案いただいていたのですが、タイトルの「森」という字がもつ雰囲気にそぐわないと感じまして、本書に描かれた不世出のソロクライマーのお話・山世界の裏話といった色々なタイプのお話に見合うビジュアルは…と考えたところ、門坂さんの銅版画はどうだろう?と思い至りました。
門坂さんは対象だけでなくその場の空気を絵にする、という印象があったので、これらをうまく包括してくれるのではと思ったのです。
生前の門坂さんと親交のあった編集者さんのお宅にお邪魔して原画をいくつか見せていただき、沢を描いた版画をお借りすることができました。
編集者さんから伺ったのですが、門坂さんは銅版画を彫るとき下書きをせずに、資料を見ながら一発で彫っていたのだそうです。作品の線の細かさを思うと、常人には感知できない域に達しておられたのだと驚愕しました。
